山と自然の贈り物の記録
那須もまた最高でした

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10月11日。天気予報は晴。出発時の茨城も快晴。
 
 前回の北アルプスで気を良くした夫が、今度の連休は北岳に行こうと言い続けていたが、私は満腹気味。
もっと軽めの山登りが良い。

天気予報でも9~10日は雨模様で、11日だけ全国的に晴れるという。

「近くにしようよ。尾瀬か会津駒ケ岳あたりはどう?」
と言う私に、煮え切らない夫。
「ぐずぐすしないで、早くきめようよ!」と追い討ちをかけると、
「明日は、行かない!1人で行きな!」と言って、ふて寝を決め込んでしまった夫。

 そして、今朝4時30分。ガバッと夫が起きだし、「今日は那須にしよう!」とご宣託。
ほらきた、夕べは行かないと言っていたのに ‥‥‥ 。
まあ、そんなことだろうと準備は怠り無かったので、6時少し前に自宅を出発。

 今日の登山コースは、「板室温泉の奥・沼原湿原から三斗小屋温泉に向った後、牛首経由で茶臼岳に登り、
月山を回ってから沼原湿原に下山する」と言うもの。

 急遽のことだったので、地図やガイドブックの用意なし。

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若かりし頃、二人とも「厳しい登山」にのめり込んでいたため、低山は余り歩いたことが無い。
一昨年、初めて三斗小屋まで散策し、紅葉の素晴らしさに感動したことから、今日の山行になったのだが、
夕べのいきさつから地図の用意が出来なかったのだ。

 その時の記憶で、散策路から茶臼岳に登るルートが二本分岐していたことから、「奥のほうの分岐から牛首、茶臼岳に登り、手前で分岐した道をたどって車に戻る。」と考えたらしい。

「案内板もあるし、人も多いから大丈夫だろう」と言うことで出発したのだ。

7時30分頃、沼原湿原入り口の駐車場へ‥‥と思いきや、2~300m?手前から路駐の車が。
さっきまで、車の陰も形も見かけなかったから、「今年は紅葉が遅いから、車が無いんだね」などと話していたのがウソのよう。
駐車場から車があふれ出していた。

諦めずに駐車場まで行って、半ば強引に駐車を果たした。(帰りには、さらに一列駐めてあったので、上がいるものだ。)


8時前に出発。茨城は快晴・無風だったのに、ここは強風と怪しげな黒い雲。おまけに、紅葉の「こ」も見あたらない、
緑一色。一昨年の、同時期とは大違いだ。暑さのせいで、遅れているのだろう。

 それなら、今日はせかせかと先を急がず、のんびり山旅を楽しもうと約束して歩き始めたのだが。

性分とは、なかなか抜けないらしい。
直ぐに前の他人の背中についてしまう。
「今日はゆっくりだよ。」「ユックリを忘れているのは誰?」とお互いにけん制するのだけど、何度も繰り返してしまう。
似たもの同士が夫婦になったか、夫婦になって似てしまったのか?

湿原経由の道で汗をかいていたら、途中で右から合流してきた道に「駐車場近道」とある。
帰りは、この道を帰ろう。
と言うのも、駐車場で見かけたおじいさんたちが、前を歩いているではないか。相当近道なのだろう。

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約1時間、林の中を緩やかに登っていくと、道が急に右に曲がり、その曲がり角が開けているものだから
絶好の休憩ポイントとなっている。
強風が止み、青空が広がってきたので、早めに色づいた何本かが赤く輝き始めた。
撮影に夢中になっている団体さんの間をすり抜けて右折すると、黄色い落ち葉が道を覆っている。
期待していなかった「秋色」の出現で、急に心が弾んできた。
写メを撮っている夫を置いて、ついつい先を急いでしまう、私。
少し下ったところが、「三斗小屋温泉と牛首方面」を分ける分岐点となる。

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牛首への道を見ると、黄色の落ち葉が積もった、なんともハイキング道らしい路。
回りも紅葉した木が多くなり、「なかなかだねえ。」と言い合っていると、突然のように樹林を抜け出してしまった。

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今までの紅葉でほぼ満足していたのに、突然開けて錦秋のパノラマ。その向こうには、噴煙を上げる茶臼岳。

期待していなかっただけに、嬉しさが倍。写メ、写メ、と撮っていたら、上から降りてきたおばあさんに、「こんな所で何してんの?上はもっと良いよ」と笑われてしまった。
それにしても、急に人が多くなってきた。何処から来たんだろう、と思いつつ、おばあさんの言葉に従って進むと、
そこは公園のよう。

「姥が原」と標識のあるあたりは、「人混み」と言って良いほどの混雑振り。


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牛首の北側がカールのような地形になっていて、真ん中が、白い砂地。
それを赤黄に染まった紅葉が取り囲むさまは
絶景と言うか、箱庭と言うか。

緑一色の登山道から予想だにしなかった、この光景に大感激。北アルプスに続いてこの幸運。
誰に感謝したらよいのだろうか。

それにしても人が多い。どこから来るのだろうと、案内板を良く見ると、僅か20分で牛首に登れるし、
その向こうにはロープウェイの駅があるらしい。
続々降りてくる中には、赤ちゃん連れが多いし、腰の曲がりかけたおばあさんまでいる。
「帰りはどうしようか。登れっかな?」等と軽口を飛ばしながら笑っているところをみると、本当は余裕があるのだろう。

深山幽谷の趣のある、那珂川源流の登山路から登ってきた私達は、こんなポヒュラーな観光地に迷い込むなんて、
露とも思っていなかった。
那須の中でも、一番紅葉がきれいとみえて、取材のヘリが何回と無く旋回している。
かつて、「山屋」であった私には、混雑に少し辟易したが、この紅葉は本当に素晴らしい。

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10時過ぎ。ゆっくり休んで、牛首に向う。
登るたびに「姥ガ原」の美しさが変わる。何度も、何度も写メを繰り返し、牛首に。

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そこは、うって変わって強風地帯。こんなに晴れてきたのに、この風。荒天だったら、石つぶてが飛ぶことだろう。
ロープウェイ駅から、続々と登ってくる。その足元を観察すると、多くは新品の登山靴。
観光客が登山靴を履くようになったのか、ブームにのつて登山を始めたのか、とにかく盛況だ。

月山に向う道にも、ひとは多い。往復してくる団体さんが多いので、遠慮していると何時までたっても進めない。
戻ってくる人達にも、登り優先とか、譲り合ってすれ違う、とかの意識が無いようだ。

相変わらず美しい「姥ガ原」の俯瞰図、後ろには茶臼岳の荒々しい山肌と噴煙、そしてたおやかなこの稜線。
山道と言うより「公園の散歩道」のようで、次第に足が速くなってしまう。

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11時、日の出平。多くの登山者が弁当タイム。南月山から白笹山経由でう帰ろうか、このままストレートに
下る道をとろうか迷ったが、「帰りの温泉をゆっくり入りたい」思いでストレートに下山するルートを選ぶ。

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急に人並みが消え、誰~れもいない。左に分岐してきた南月山の稜線が素晴らしい曲線を描いている。
余りの美しさに「あっちへ行けばよかったね」と私が言えば、「いや、このルートも歩きたかったんだ」と夫が言い訳。
確かに、静かな山道を独占するのは気持ちが良い。
ゆったりした稜線歩きから急に下り始めると、眼下に沼原湿原のある深山ダムが見える。

笹の中を、ずうっと右にトラバースしていく道は、いままでになかった光景。紅葉も良かったが、笹の絨毯も美しい。
こんな「美」もあったんだ、と感嘆仕切り。そんな私の横で、「こんなに笹が一杯あるんだから、
日光や尾瀬の鹿が移住してくれば良いのに。
ここなら害獣呼ばわりされずに、腹いっぱい食べられるのに」と夫がまじめな顔でつぶやいている。

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トラバースが終わると林の中へ。姥ガ原も綺麗だったが、ここの紅葉もなかなかだ。大きなカエデの葉が黄色く色付き、
赤が多かった岩場の眺めとは少し違う。ここでも写メ、写メしていると、したから家族連れが登ってくる。
さっきまで独占状態だった、この道に、なぜか次々と家族連れが登ってくる。
 「ここは、下り一辺倒だからのぼりに向かないね」「下りに選んで、大正解」と悦にいっていた私に逆らうように、
登ってくるのは不思議。

ひょっとしたら、私達と同じように、地図をよく見ないで、「近いほうから登ろう」なんて選んだのかも。

ひたすら下っていくと、林相がさらに変わり、つつじ類の古木が多くなる。「こんなに大きくなるんだ!」と驚く木々は、
木肌が素晴らしい。雪の中でゆっくり成長すると、こんなになるのだろうか。ゴツゴツして曲がりくねって、
天然にしか生まれないだろう味わいのある木肌だ。

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12時過ぎ、朝通った登山路に合流。帰りは、もちろん「駐車場近道」を選んだ。
入山の時選ばなかったのは、入り口付近が整備されていないようにみえたので避けたのだったのだが
なんと快適な道なんだろう。湿原経由の道のようにアップダウンは無いし、広くて歩きやすい。
少し下り気味だったので、足は益々快調。10年くらい若返った気分で、飛ぶように駐車場を目指した。

下山して、アット驚き。駐車場、道路への溢れ出しがヒートアップ。
駐車場から下り始めると、なんと、今朝は片側駐車だったのに、今は両側駐車。しかも、延々と続く。1km以上は続いたろうか。間が一両分しか開いていないから、登りがきたらどうするの?と言う状態。
そこへランドクルーザーが。早く温泉に浸かりたいのに、まったく!!


これだけ、人気が出れば、交通整理も必要になってくるのだろう。


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Posted by tomo
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