山と自然の贈り物の記録
鳥海山+大湯滝
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8月28日(日)朝5時自宅を出発し、鳥海山に向け高速に乗る。

 今回もまた、「栗駒にしようか」「鳥海にしようか」悩んだ夫に振り回され、
前夜にでも出発すればよいものを、早朝の出発となってしまった。

 5時間くらいかな?と予想していたが、11時近くになって「湯の台」に到着。
休憩所のある駐車場は満杯で、全く余地が無い。
行き止まりまで行ってしまったので、苦労してUターンしようとしていたら、
帰る準備をしていた親切な方が、スッと出ていただき、路上で片づけをして頂いた。

有難うございました。

茨城は、今にも振り出しそうな空だったのに、月山パーキングをすぎたあたりから
青空が広がり始めた。
 登りだしは、青空の下。11:20分に出発。
樹林帯の中、緩い登りの石畳から抜け出し、沢にかかった橋を渡る。

と、ここで夫が立ち止まる。

上流を見上げると、真っ白い大岩が積み重なった涸れ沢から、滝を連ねて
高山植物の咲き誇る、お花畑に突き上げているように見える。


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十数年前、小さかった子供達と登った時の、登山道添いに沢の流れる音、川原宿
小屋前に川となった雪解け水を思い出したのだ。

「ヨシ!今日はこの沢を詰めよう!」と、突然のご宣託です。

「滝の小屋」すぐ手前の沢で、たしかに、白く輝く滝の上には、お花畑が見えそうだ。
そう思って、うかつにも、その誘いに乗ってしまった。

ひさし振りの沢歩きは楽しい。
今は伏流水となっているため、白い大岩がゴロゴロ積み重なっている。岩は素晴らしく
フリクションが利いて、登山靴でも全く不安は無い。
天気も上々。さらに青空が広がってきた。
数メートルの小滝では、滝つぼにプールのように澄んだ水が蓄えられている。

始めは、恐るおそる夫に続いていたのに、二箇所ほどフィックスドロープを見つけた
ことから、この沢が登りに使われていることが分かり、気分は高揚。


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夫は、「黒部の赤木沢も、こんななの?」と聞いてくる。
「ウン。こんなだったかな。もっときれいだったかな?」と、天下の美渓である「赤木沢」
と比べてしまう、私がいた。
高度をグングン稼ぎ、素晴らしい涸れ滝の連続を登り、両岸のキスゲなどの花を眺め
二人で歓声の連発です。
と、そこに、Oさんからのメールが着信です。
「ここまでメールか」と思ったものの、直ぐに写メを撮って送信してしまいました。
「青い空と白い滝、ここは鳥海山だよ!」っと。


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有頂天はここまで。
連瀑を登りきって、沢は緩やかに蛇行し始めてきた。
予定では、もうすぐ、川原宿小屋近くに飛び出すはず。
ところが、ゴーロの沢床は続くものの、笹や潅木の枝がうるさくなってきた。
草原に飛び出しそうになっても、また後戻りの繰り返し。

ここでの夫の決断が、天国から悲しみに、私を転落させてしまった。

「登山道は、沢の直ぐ右岸にある筈。藪を漕いで、道に出よう!」と。
実は、ここまでは、全て夫の頭の中で描いたイメージだけで、
行動してきてしまっていたのです。
夫は、地図を見ていなかったのです。いや、地図を見る気も無かったのか、
車に置いてきてしまっていたのです。

後で分かったことですが、夫のイメージしていた「本物の沢」は、「滝の小屋」を
過ぎたところで横切る「小さな沢」、だったのです。
私達は、一本手前の、「素晴らしそうな沢」に誘い込まれてしまっていたのでした。

沢から、右岸の笹薮をのぼり気味に行くが、一向に登山路に出ない。
この間に、悲劇が起きました。
アッと気がついたら、さっきOさんに写メをメールした後、ポシェットにしまった筈の、
携帯電話を亡くしてしまっていたのです。
ファスナーのフックが藪に引っかかり、開いてしまったのだろうか?

押し分けてきた藪は元に戻り、何処を歩いてきたかの、痕跡が見つからない。

藪にウンザリしてきていたのに、携帯まで失って ‥ ‥ ‥ ‥。
結局、30分以上かけて「川原宿小屋」脇を流れる「本物の沢床」に出ました。
11:30分着です。

子供たちと来たのも、丁度同じ時期。
あの年は、大雪の年だったのだろうか。轟々と音を立てて流れていた光景が、
うそのようです。

ゆっくり休み、夫の慰めを何度も聞き、少し気を取り直しました。
「山頂小屋まで、あとどのくらい?」と聞くと、「2時間くらいかな!」と平然と答える夫。
「あと2時間もあるのかぁ~…」と見上げた山稜には、ものすごい急坂が待っている。

1:50分出発。
藪漕ぎと携帯亡失で意気消沈していた身体は、今一パワーが出ない。
そんな私を見透かして、夫は雪渓の右。大岩の積み重なる、沢床を登る。


<奥に見えるのが川原宿小屋>
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  <心字雪という残雪です>
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トラバースしてきた登山道と合流して、いよいよ薊坂と呼ばれる急登だ。

少しの間雪渓に沿って登り、夫の汲んでくれた出来立ての雪解け水飲み、
喘ぎながら、一歩一歩登る。
「大丈夫?」「無理するなよ!」と声をかける夫は、涼しい顔。
「少し黙っていてよ!私は大丈夫だから!」。

少しずつ気分が乗ってきて、ペースも上がってきた。そうなると不思議なもので、
遠くに思えた稜線がアッと言う間に近づいて、急坂が終わってしまった。

あとは稜線漫歩。でも、お花が見当たらない。
子供たちと来た、あの夏は、登山路脇はお花が満開で、蝶が一杯飛び交っていたのに。
                         

   <ぼけていますが頂上小屋遠望です>
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行者岳を過ぎたところで、外輪山からハシゴを下って、内壁に沿った道に降りる。
よくも、こんなところに登山路を付けたものだ。
他の山なら、「落石の恐れあり」とかで、通行禁止となってもおかしくないところだ。

とくに、小屋に登り出す付近は、最近の大地震で落ちてきたのでは?と思わせる
大岩もゴロゴロ。

先客たちは、小屋の広場で缶ビールパーティをしている。その横に飛び出したのが、
4時ちょっと前。

宿泊の受付を済ませるやいなや、疲れた私を横目に、缶ビールでグビグビのどを鳴らす夫。

頂上小屋のトイレは真新しい「バイオトイレ」、外見に比べ小屋の中も新しく、毛布も清潔そう。
与えられたブースも二人専用のような所で、ラッキーです。
食事は出来合い物で、やや貧相。でも、味噌汁はおいしかった。

食事を終えたら、外の広場に。
丁度、太陽が生みに沈んでいくところで、とっても眩しい。ギンギンの日差しのような強烈な夕日。


   <山小屋の壁に寄り添う影が写りました>
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水平線で雲の中に入り、真っ赤に膨らんだ太陽が、ひときわ輝いたあと、急にしぼんでいった。

すると、間近の日本海に、飛島が。夕日が邪魔しなくなって、暗い海に浮かんでいるのが、
良く見えるようになったのだ。

明日の好天、ご来迎に期待して、7時過ぎには毛布を被った。

8月29日。
昨日の夜、小屋の人が、「頂上まで40分くらいかかるよ」と言っていたので、4時に起床。
そそくさと準備をしていると、一人また一人、と起きだしてきた。

暗い中を、ヘッドランプを点けて出発。
視野が狭いせいもあるが、なんと言うガレ場なんだろう。
「小さかった子供たちが、こんな所を、よく登ったよねぇ!」「よく連れてきたねぇ!」
「大地震がきたら、どうなるんだろう。生きて帰れないよ。怖いよねぇ!」。

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約20分で頂上に着いてしまったので、まだ真っ暗。
夫婦二人だけで待っていると、後続が1ペア。私たちと同じ位の年齢だ。
薄明かりに、ガラガラ、ゴツゴツの岩屑が浮かんでくる。

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一体この山頂はどうして出来たのだろう。溶岩ドームが破裂して、岩屑の山が
出来たように見える。
5時5分。地平線が丸く見え、たなびく雲の間から少しずつ、少しずつ太陽が浮かんできた。

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日本海を見ると、雲海の上に鳥海山の影、「影鳥海」だ。
なんと運のよい私達、贅沢な私たちだろうか。お隣の、ご夫婦も同じ事を言っている。

<ぼけていますが、影鳥海です>
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下ってみても、岩屑の山は険しい。
若かった私達は、ここを平気で小さな子供を連れ歩いていたのだ。
いや、そう思う様になったのは、年をとったと言うことかも。

山小屋で食事をし、6:15分に下山開始。
薊坂の苦しさがウソのようで、沢の詰めでの藪漕ぎもウソのよう。
快調に駆け下って、駐車場に8時過ぎ着。

川原宿小屋でも、滝の小屋でも、駐車場でも、「エッ、もう降りてきたんですか」
と聞かれて、自慢げな夫。付き合う私は、大変なんだから!

『帰りは川原毛地獄にある大湯滝へ』
折角、東北に来たんだから、温泉に入ってから帰ろう。
どうせなら、秘湯中の秘湯と言われている、「川原毛地獄にある大湯滝」にしよう。




↓・秋田県湯沢市のHP観光案内の写真を転載しました。
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・大湯滝全景です。40℃という適温の湯が落ちてきます。
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・絶品の湯船ですが、裸の殿方には閉口します。
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電池切れで、写メが撮れなかったのですが、ネットで検索した通り、天然の滝壺が
丁度良い湯加減となった、素晴らしい湯滝でした。
一つ苦言を言えば、「男のみなさまも、水着を着けて欲しい」と思いました。

興味のある方は、「川原毛地獄」で検索すると、たくさんの投稿がありますから、
ご覧ください。






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Posted by tomo
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